いま一度見直したい、企業の労災対策と備え

日々の業務のなかには、大きな事故だけでなく、転倒や熱中症のような身近なリスクもあります。
まずは現状を知り、自社に合った対策や備えを見直していくことが、従業員と会社を守る第一歩です。

はじめに

厚生労働省が公表した令和7年(2025年)の労働災害発生状況によると、労働災害による死亡者数は700人で過去最少となりました。一方で、休業4日以上の死傷者数は135,333人にのぼっており、日々の業務のなかには今もさまざまなリスクがあることが分かります。大きな事故だけでなく、転倒や熱中症のような身近なリスクにも、あらためて目を向けることが大切です。

2025年 労働災害

700人

死亡者数は過去最少

休業4日以上

135,333人

死傷者数はなお高水準

熱中症死傷者数

1,803人

2025年は増加傾向

まずは数字から見えてくること

2025年の死亡災害で多かった事故の型は、「墜落・転落」186人「交通事故(道路)」126人「はさまれ・巻き込まれ」117人でした。業種別では、建設業214人、製造業115人、陸上貨物運送事業80人となっており、現場作業、機械設備、車両を伴う仕事では、引き続き注意が必要な状況です。重大事故の件数だけを見ると改善傾向にも見えますが、実際には企業が向き合うべき労災リスクは、今も決して小さくありません。

身近な業務のなかにもリスクはあります

休業4日以上の死傷災害では、「転倒」37,195人「動作の反動・無理な動作」22,166人「墜落・転落」20,864人が上位となっています。通路の段差、荷物の持ち上げ方、脚立の使用、整理整頓の不足など、日常業務の延長線上にあるリスクが、実際の労災につながっていることが読み取れます。特別な職場だけの問題ではなく、どの会社でも一度は見直しておきたいテーマといえます。

熱中症対策も大切です

近年は、熱中症対策も見過ごせません。職場における熱中症死傷者数は2021年561人、2022年827人、2023年1,106人、2024年1,257人、2025年1,803人と増加しています。2025年の死亡者数は19人でした。屋外作業だけでなく、製造業、運送業、警備業、商業など幅広い業種で発生しており、「暑い時期だけ少し気をつける」だけでは十分とはいえない状況です。

見直しのポイント: WBGT(暑さ指数)の確認、休憩、水分・塩分補給、体調不良時の対応手順などを、事前に整理しておくことが大切です。

高年齢化への備えも欠かせません

2026年4月からは、改正後の労働安全衛生法に基づく「高年齢者の労働災害防止のための指針」が適用されています。高年齢労働者の特性に配慮した作業環境の改善や作業管理などについて、事業者が講ずるよう努めるべきものとされています。人手不足が続くなかで、高年齢の従業員が職場で果たす役割はますます大きくなっています。だからこそ、転倒、腰痛、暑熱環境、重量物の取扱いといった点に配慮した職場づくりが、これまで以上に重要になっています。

まずは見直すことから

労災対策というと、大きな設備投資や特別な仕組みが必要に感じられるかもしれません。ですが、最初に大切なのは、自社で起こりやすい事故を知ること、そして今の備えが実態に合っているかを見直すことです。事故を防ぐための取り組みと、万一に備える準備は、どちらも従業員と会社を守るために欠かせません。

まずは、「自社ではどんな事故が起こりやすいか」「現在の備えに抜け漏れがないか」を確認することから始めてみるのがおすすめです。

お気軽にご相談ください

労災対策は、特別なことから始めるというより、まずは自社の現状を知ることから始まります。
「今の対策で十分だろうか」「備えに抜け漏れはないだろうか」と感じられた際は、どうぞお気軽にご相談ください。
貴社の業種や働き方に合わせて、無理のない見直しの方向性を一緒に整理いたします。

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